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◆水源地を物色する中国人
◆水源地を物色する中国人
多くの森林が買収目的も分からぬまま動いていることに危機感が募るのだ。尾上武義町長は「あの水源林の水は宮川に流れ込み、下流域の田んぼを潤している。途中で水が止められたら、それこそ一大事」と語る。国と県に法規制の網をかぶせるよう要請している。
林野庁には昨年6月から、「中国を中心とした外国勢が森林買収に動いている」との情報が寄せられていたという。ほかにも長野県、岡山県など豊かな水源地を持つ地方で中国人地上げ屋の影がちらついた。
日本の水は豊かな水源地をもってはいても、実は人様に渡せるほど利用できない。渓谷や河川は急勾配(こうばい)で短いから、降水量の3分の1がそのまま海に流れ出てしまう。逆に、6月の梅雨時や夏から秋にかけての台風シーズンは、洪水が起こりやすい。
だから、名君といわれた藩主ほど多くの堤をつくって、水を押し込めたり、なだめたりした。いまは、ダムや堤防を建設して水量の安定化をはかっている。苦労を重ねてきた水なのに、外国勢の利権ビジネスで上前をはねられてはたまらない。
水が国境を越えて持ち出されれば、そのまま日本の安全保障にもかかわってくる。帝京大学の志方俊之教授によると、日本は飲んでいる水と「ほぼ同等の量」を米国に依存しているという。
これをバーチャル・ウオーターといって、水そのものでなく米国で産出する木材、小麦、大豆、牛肉を育てるために使われた米国の水をこう呼ぶ。仮に日本が自給自足であるならば、元来が国内で使用されるはずの水なのである。
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